DMを作成するときに、いつも念頭に置いておくべき、重要なポイントがあります。それは、顧客の利益(ベネフィット)を強調するということです。このことは単純だけど実は奥が深いことです。
今回はこのテーマについて述べていきます。
利益がなければ「ただの紙」、ゴミ箱行き
そもそも利益とは何か?DMに記載すべき利益=ベネフィットとは、お客様の利益のことです。何らかの表現でお客様が「得になること」だと言ってよいでしょう。
そのDMがお客さまにどんな利益をもたらすのか。それが、実は、DMを制作するうえで最も重要といってもいい要素の一つなのです。
ベネフィットのないDMは換言すれば魅力がゼロのDMです。ベネフィットがあるからこそお客さまはレスポンスしてくるのです。自分にとって利益がなければ、DMは即ゴミ箱行きということになります。
いってみればベネフィットは釣りのエサのようなものです。エサがなければ魚は一匹も釣れません。お客様を魚に例えるのも失礼ですが、ベネフィット=美味しい餌と考えるとベネフィットがどういうものでならないかが想像できると思います。
ベネフィットをどのように表現するか?
ベネフィットの重要さはいくら強調しても強調し過ぎるということはありません。しかしいざ自分が売っている商品のベネフィットは何かと考えると、意外と簡単にいかないことに気づくはずです。
ベネフィットを抽出するにはどうすればいいのでしょうか?
①まずは特徴や特性を見つける
それには、まず商品のセールスポイントを整理することが先決です。たとえば、ある新商品にはすぐれた機能が二つあったとします。これはいわゆるセールスポイントです。その商品が持っている「良さ」といっていいかもしれません。でもそれだけでは不十分なのです。セールスポイントはあくまで機能説明であり、その商品のすぐれた特性であって、まだお客さまにとってのベネフィットにまではなっていません。
②利益は具体的に示す
そのすぐれた機能がどんなベネフィット(利益)をお客さまにもたらすのか。それを魅力的に、まるで手に取るように表現して納得してもらう必要があるのです。たとえば太陽光パネルを例にとって考えてみます。
太陽光メーカーなどで、よくあることですが、太陽光パネルの1枚の出力が289Wだ。業界最高だなんて宣伝しているところがあります。しかしこの289Wという数字お客さんの立場からすれば、何のことなのかさっぱりわかりません。しかしメーカーの側から言えば、一枚のパネルの業界最高値であり、セールスポイントそのものです。
③商品の特性をベネフィットに変換する
この太陽光パネルの特性で言えば、
「この太陽光パネル1枚で、年間○○円の電気代を削減できます」もしくは
「この太陽光パネル1枚で冷蔵庫1台をずっと動かすことができます」
というように289Wという出力が具体的に、お客様にとってどんな利益を生み出すのかを書いていかないといけないということになります。
ベネフィットは多ければ多いほど、しつこいのがいい
単に美しいだけの広告表現ではなく「欲しい!「」「申し込みたい!」という気にさせる必要がありからなのです。
しつこいくらいにくり返す
つまり、ベネフィットは何度もなんどもくり返し訴求することで効果が絶大です。
お客さまはDMを隅から隅まで読んでくれるほど親切ではありません。どこを見てもベネフィットがすぐに目につくようにしておくことが大切です。これをリピーティング効果といっています。ただし、ブローシャー(商品パンフレット)とレターとでは、自ずとことばを変える必要があります。ブローシャーでは短く歯切れのいい体言止め、レターはていねいに説得するような調子でと、表現を変えると効果的です。